代表あいさつ・歩み
代表あいさつ
“研究者と経営者” 二刀流への挑戦
iPS細胞の大いなる可能性に惹かれ、幹細胞研究の世界へ身を投じてから早10年の月日が経ちました。現在、幸運にも、アカデミアで神経再生研究に携わっております。特にパーキンソン病に関する研究では、アカデミアにおける基礎研究から臨床現場への橋渡しを終え、新たな治療法の確立へ向けて、着実に前進している喜びを感じております。
その一方で、未だ治療法が確立されていない難病を患っている患者様が数多くいる、という現実があります。患者様が希望を捨てずに病気と闘いながら生きているのと同様に、我々研究者も可能性がある限り、全力で研究に取り組まなくてはなりません。 そして、幹細胞研究の裾野を広げていく必要があると強く感じました。
そのためにも、私は、より多くの大学や企業と、より多くの共同研究ができるよう “起業” という道を選択しました。幹細胞や幹細胞から分泌される生理活性物質の解析と臨床研究をよりスピーディーに行ない、科学的根拠を根付かせたい。自らが再生医療の発展に貢献し、日本の再生医療を世界へ届けたい。その想いをセルプロジャパン株式会社で実現していきます。
日本では、2014年に医薬品医療機器等法と再生医療等安全性確保法が施行され、再生医療を取り巻く環境は世界をリードするものとなりました。その恵まれた環境下で “研究者と経営者の二刀流” という挑戦をし、幹細胞研究を通して、再生医療の未来を力強く切り開いていきたいと思います。
代表取締役
沿革
セルプロジャパン株式会社を設立
資本金550万円に増資
資本金4,550万円に増資
化粧品製造販売業許可を取得
代表の歩み
神奈川県に生まれる
祖母がパーキンソン病を発症
人生への影響1
パーキンソン病という病気が未だに有効な治療法の無い神経難病のひとつであることを知る。祖母の病状を見守ることしかできず、何もできない自分自身に強い無力感を感じる。
京都大学 山中伸弥先生によるヒト多能性幹細胞作製の報告
人生への影響2
様々な細胞に変化できる「幹細胞」の存在を知り、その無限の可能性に惹かれて再生医療の道を目指すことを決心する。
茨城大学農学部(編入学)
人生への影響3
幹細胞研究に取り組むために当時在籍していた大学から茨城大学へ3年次編入。在籍期間中に限られた細胞に変化できる虹彩色素上皮細胞を使って初代培養系の構築や当時研究室で取り組んでいた酵素発現の有無を調べる。
茨城大学農学部(卒業)
京都大学大学院医学研究科医科学専攻修士課程(入学)
人生への影響4
パーキンソン病に対する新規細胞移植治療法の開発に着手する。パーキンソン病に対する細胞移植治療は1980年代より検証されており、これまでに一定の有効性や課題が蓄積される。本疾患を通して「幹細胞」に求められる能力が何か、そしてどういった研究開発が必要であるかを経験する。
京都大学大学院医学研究科医科学専攻修士課程(修了)
京都大学大学院医学研究科医科学専攻博士課程(入学)
日本学術振興会特別研究員
第16回日本再生医療学会奨励賞(臨床応用研究部門) 受賞
人生への影響5
パーキンソン病に対する細胞移植治療法の安全性と有効性を高めるために移植細胞の独自選別技術を開発する。この研究成果が受賞という形で評価されることにより、研究者としての自信と自覚につながる。
京都大学大学院医学研究科医科学専攻博士課程(修了)
京都大学iPS 細胞研究所神経再生研究分野研究員(現研究員)
医師主導治験のスタート
人生への影響6
ヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療に関する医師主導治験が開始。これまでの研究成果の一部が臨床応用という形で実現される。このようなトランスレーショナルリサーチの現場を体験することで、再生医療を通して自分に何ができるのかをより深く考えるきっかけとなる。
アウトリーチング活動をスタート
セルプロジャパン株式会社設立(現代表取締役)
人生への影響7
これまでの経験を活かして、様々な疾患に対する研究開発を加速させたいという思いから、再生医療を通して新しい医療のカタチを創っていくことを決意する。事業化することでネットワーク構築や研究開発の加速、多様なニーズに応えるための基盤とする。
白血病を発症
人生への影響8
治療開始直後に意識不明となり約1ヵ月間ICUで集中治療を受ける。その後は治療が功を奏して回復。同年7月には退院して仕事復帰を果たす。白血病の治療選択肢のひとつに幹細胞移植があることを知り、再生医療の存在を身近に感じる。同時に、再生医療の抱える問題を俯瞰して捉えて、これら課題をひとつずつ解決することで広く一般に普及させる努力が必要であることを感じる。